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12.的中

【本編中?/ナム孤島/ジュディス&カロル/掌編】

「Highよ」
 目の前に出されたカードを一瞥するなり答えたクリティアの女性。ディーラー役であるうしにんは伏されたもう一枚のカードをめくる。
 結果は彼女の読み通り。
「お見事~。まだ挑戦する?」
「勿論よ」
 にっこりと笑んで申し出を受けた彼女に、傍らでその様子を見ていたカロルがぎょっとしたように目を見開いた。
「ちょ、ちょっとジュディス、いいの!?」
「あら、首領は反対?」
「だって今度は『8』なんだよ? HighもLowもほぼ半々の確率だし……。もし外れたら、今まで成功して増やしたチップも全部無かったことになるし」
 これまでに彼女が増やしたチップの枚数は五万枚。カロルの言うように、ふいにするには惜しい枚数である。
「そうね。少し勿体無いかしら」
「そうね、って。少しどころじゃないと思うけど。五万枚だよ?」
「でもカロル、成功すれば十万枚よ? それには惹かれるでしょう?」
「そ、そりゃあ……そうだけど」
 でしょう、と満足げに頷いたジュディスは続けた。
「それに、スリルがあって良いじゃない」
「……ジュディス、ゲームにまでスリルを求めるんだ……」
「どうする~? 今ならまだ、降りても良いけど?」
 二人のやり取りを見ていたうしにんが問い掛けると、ジュディスは首を振る。
「いいえ、やるわ。今度はLowで」
「それじゃあ、いくよ」
 開かれた『8』のカードの隣に伏せられたカード。それがうしにんの手によって開かれると、ジュディスは笑みを深める。
「的中ね」
「~……はあ、心臓に悪いよ」
 開かれたカードの数字は、たった一つ違いの『7』。思わず安堵するカロルをよそに、うしにんは再び何回目かになる言葉をジュディスに投げかけた。
「それで、次はどうするの?」
「勿論、挑戦よ」
「えぇっ!? ジュ、ジュディス! まだやるの!?」
 先程、見事ジュディスが当てたLowのカードの数字は『7』で、これもまたほぼ半々の確率である。
「うふふ、ドキドキするわね」
「うふふ、じゃなくて……」
「今回もLowでお願いするわ」
「Lowだね~。それじゃあ、開けるよ?」
 もったいぶってゆっくりとカードに手を伸ばすうしにんと、それをまるで戦闘時の瞳で見つめるジュディス。
 ただ一人の観戦者であったカロルは、もう次の機会があっても彼女のポーカーは見物しまいと心に決めるのだった。


*ナム孤島のポーカー。好戦的なクリティアっ娘と首領。

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