美容歯科 税理士 求人 30.納得行かない

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30.納得行かない

【本編中/第三部終盤/パーティメンバー/コメディ/掌編】


「……納得いかないんだけど」
 憮然とした表情で呟いた青年に、少女は困った様子で小首を傾げた。
「そうは言いましても……、仕方が無いですよ、ユーリ」
「そうそう。ほらエステル、駄々っ子はほっといて行くわよ」
「うふふ、確かに駄々っ子ね。さ、行きましょカロル」
 リタはエステルを促し、ジュディスはカロルを促しながら目の前の店へと入って行く。
「え、えぇと……行ってくるね、ユーリ、レイヴン」
 いいのかなという表情ながらもジュディスには逆らえないのか、後を追った少年。その後姿が店の中へ消えると、それまで憮然としていた青年の肩が目に見えてがっくりと落ちた。
「……何て言うかさ、青年」
「……何も言うな、おっさん」
「うーん、でも敢えて言うわ。そこまで落ち込むほどのこと?」
 小さく肩を竦めながら言ったレイヴンに、肩を落としていたユーリが憤然と男を振り返る。
「これが、落ち込まずに、いられると、そう思うのか、おっさんは」
「ちょ、ちょっと待って、落ち着いて青年!」
「何で……何で二十歳以下限定なんだ、あの店のスイーツバイキングは!!」
 ショートケーキ、ガトーショコラ、チーズケーキ、シフォンケーキ、アップルパイ、フルーツタルト、プリン・ア・ラ・モード……エトセトラ、エトセトラ。
 まるで何かの呪文のように次々と代表的なスイーツの名前を呟いていく青年は、しかし店の宣伝で配られたチラシを見下ろしてとある一文を目にすると、口を閉ざした。
「だってしょうがないっしょ。そこにハッキリ書いてあるんだし、二十歳以下限定って」
 だけど青年はスイーツバイキングってのに目が行って、此処に来て店員さんに言われるまで分かんなかったんだよねぇ。いやぁ、帝都どころか今や世界の有名人になっちゃったから年齢もバレバレだし、これも有名税ってヤツ?
 まくし立てるように言う男の声が耳に入っているのかいないのか、青年は手にしていたチラシをグシャリと握りつぶして声を上げた。
「納得行かないっての!」


*たまにはユーリいじりで。この青年をいじれるのはやっぱりこれ関連でしょう。

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