【ED後/パーティメンバー/微コメディ/掌編】
※OO=「凛々の明星」とします。
ある日、世界を巡っていた「凛々の明星」とそれについていく一行は休養と補給を兼ねて、立ち寄ったマンタイクの宿屋で一通の手紙を受け取っていた。
「凛々の明星さま、って。ボクたちしかいないけど……」
「で、誰からなんだ、首領」
ユーリの問いに、宿の主人から渡された封筒を裏返したカロルは差出人の署名を見て目を瞠る。
「これ、『戦士の殿堂』からだ……しかもナッツの署名入り」
ほら、とその署名を見せるように封筒を掲げて見せた少年に、ジュディスが確かにと頷きながら言った。
「取りあえず、先に部屋へ行きましょう?」
「そうですね。立ち寄るかも分からないのに手紙を預けていたんですから、きっと大事な話なんですよ」
ジュディスの言葉にエステルも同意しながらカロルを促すと、少年は素直に頷いて宿の主人に礼を言って手配した部屋の方へと向かった。
あの旅の頃からマンタイクに滞在する際に利用していた宿。「いつもの」と言っても過言では無いお馴染みの部屋に荷物を置くと、少年は皆に促されるままに手紙の封を解き、丁寧に便箋を開いて読み上げ始めた。
「えっと……、『突然で驚いたことだろう。いつも世界を飛び回る君達の手に、出来るだけ早く届くよう、主要な街の宿に同じ手紙を預けている。長らく統領代行として立っていたが、この度正式に就任することとなった。就任の披露目として闘技場で名立たるギルドを集めた記念大会を開催することになったが、ついては是非「凛々の明星」にも参加して欲しく思う。前統領を看取った君達に、是非』……」
そして続けられた日時は、明後日のもの。
「へぇ。いつになるかと思ってたけど、ようやく決意したってわけね」
「レイヴンは知ってたの?」
「薄々ね。ユニオンと『戦士の殿堂』はあれ以来、定期的に会合してたし。前統領が偉大だったからこそ、周囲が押し上げるより本人が確固たる決意を持たなきゃ駄目だなーとは、おっさんもカウフマン女史も同じ見解だったわけ」
「これギルド宛てってことは、正式な構成員じゃないあたしは参加資格無しってこと?」
カロルの持つ便箋を覗き込みながら不満げに言ったリタに、エステルは困ったように笑みながらそうでしょうねと頷いた。
「カロル、ユーリ、ジュディス、ラピード。正式に参加出来るのは彼らだけ、ですね」
「おっさんも『天を射る矢』に所属してるってことになってるし。残念だわ」
「で、首領。勿論参加するよな?」
「ね、首領。勿論参加するわよね?」
「ワフ、バウワウ!」
やる気満々の二人と一匹の声に、年若きギルドの首領たる少年はしっかりと頷いた。
「ナッツには色々お世話になったし、折角招待されたんだもん、勿論だよ! 明日朝、ノードポリカに向けて『凛々の明星』、出発だ!」
「了解」
「ふふ、了解」
「ワン!」
はりきる二人と一匹をよそに、魔導少女はどうにかして参加出来ないかと呟きながら目論んでいて、その友人である少女は皆が大きなケガをしないように心配しつつ応援する気いっぱいで、最年長の男は若いっていいわねぇといつもの様子で彼らを眺めていた。
その明朝、マンタイクを出立した一行は、同日中に同じデズエール大陸東端ザドラク半島の闘技場都市ノードポリカに到着。その翌日に開催された新統領就任お披露目と記念大会に参加した。なお、その記念大会において飛び入りがあったりが、その飛び入りがネコ耳でゴーグルをつけたウェイトレスと、エステティシャンと、カゴを被った男であったことは、記録に残っていない観客と参加者のみが知る事実だったりする。
*勿論大会のこととかは捏造設定ですよ。