エステルの努力(?)により晴れて結ばれた二人だったが、それで何がしたかったんだというユーリの問いに、エステルは考えに考えに考えた末――三十分後――、何も思いつかなかった。(取り合えず「恋人」という関係に昇格する為に全精力を傾け、精根使い果たしたらしい)
このままではいけない、とばかりに彼女が助けを求めたのは書物だった。
街の古書店で見つけたそれは、いわゆる恋愛指南書と呼ばれる類の物で――。
「これです……!」
元値1200ガルドの8割引で240ガルド。恐らく幾人もの手に渡っては売られてきたのだろう、その本の題名は「恋愛初心者に贈るステップアップ術! 恋のアン・ドゥ・トロワ」という。