(シェリア……)
久し振りにあった幼馴染は、想像以上に大人になっていた。
体は女性らしく丸みを帯び、雰囲気も落ち着いていて。
(……綺麗に、なった)
七年。
父に反発して家を飛び出し、騎士学校の門を叩いてからこれまでずっと夢中で訓練と勉強に打ち込んできた。
辛いことも多々あったけれど、それでもくじけずに前を向いて此処まで来れたのは、誰かを守れる強さが欲しいという強い思いと、幼少時代の楽しかった思い出のお陰だ。
騎士になれたなら、その時には胸を張って報告に行こう、そう思っていた故郷ラント。
また喧嘩になるかもしれないけれど、それでも領主の息子としてではなく、ただのアスベル・ラントとして努力の末に騎士となれたことを報告したかったのに。
そしてそれは、もう目の前にあった。
後は正式に叙任式を終える、それだけだったその時、騎士学校の前でシェリアと再会して。
そして故郷の危機と、父の死を知った。
実地訓練で王都を離れていた間に届いた母の手紙を読んだ後、実際に自分の目で見て状況を知らせろとマリク教官の命もあって、シェリアと共に旅立って少し。
けれど彼女は、もう昔のように話掛けてくれない。
昔のように、笑ってはくれない。
(分かって、いるんだ……)
家を出る前、八つ当たりのように怒鳴った。
そして完全にわだかまりを解かないまま、置手紙だけを残してラントを出たのは自分の方だ。
けれど、胸が痛む。
大切な幼馴染だから――いや、そうなのだろうか。
どちらにせよ、思うことは一つ。
また、あの笑顔が見たい。
今はまだ駄目でも、時間はかかっても。
もう一度。