【現代パラレル「毎日がSpecialday」設定/ユーリ23歳・エステル20歳/掌編】
「もしもし?」
『起こした?』
「いいえ、起きてました」
『夜更かしは美容の大敵、なんじゃないの』
「分かってます。小母様にも、ジュディスにも、リタにも、しっかり釘を刺されました」
『落ち着かないからって本読み出して、気付いたら朝なんてことにならないように、って?』
「う……なんで分かるんです」
『そりゃ、あんたのことだし』
「…………ユーリは最後まで意地悪です」
『最後? ああ、まあそういう意味では最後か。――どう、今日はゆっくり出来た?』
「はい。皆でゆっくり過ごしました。小父様ったら今から緊張して」
『エステルは?』
「わたしです? そうですね……ドキドキしてます」
『そう? その割に、落ち着いた声してる』
「緊張も確かにしていますけど、わたしの場合は、ああ、ようやくなんだな……っていうドキドキですから」
『遠足前とかイベント前の、ってヤツか』
「そうですね、それに近いと思います。――ユーリは?」
『オレは、――そうだな、緊張してる』
「ユーリが、です?」
『何だ、意外そうな声だな』
「はい。正直ビックリしてます。ユーリなら、余裕、って言いそうなのに」
『オレだって結構繊細なところがあるの』
「そうなんです?」
『……あんただって大概意地悪だよ』
「そんなことないです」
『いーや。オレが保証する』
「やっぱりユーリの方が意地悪、です」
『拗ねるなって。……っと、さすがにもう遅いか』
「もう一時、です」
『確かあんたの方はオレより早くに出るんだろ?』
「はい。男性よりも仕度に時間が掛かりますから」
『そういや、ディーネとジュディが張り切ってたな。……本番前に疲れ果てないことを祈る』
「え、ええと……多分、大丈夫です」
『楽しみにしてるから、頑張ってくれ』
「わたしも楽しみにしています、ユーリの正装。ふふ、カロルとレイヴンに写真とビデオ撮ってもらえるよう頼んでるので、緊張していても後でしっかり見返せます!」
『……明日ばかりは遠慮も逃げも出来ねぇし、仕方ない』
「そうです。覚悟を決めてください」
『はいよ。……んじゃ、おやすみ、エステル』
「おやすみなさい、ユーリ。明日、教会で」
*現代パラレルのちょっと未来編。敢えて会話だけで。