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43.青春。

【現代パラレル「毎日がSpecialday」設定/ユーリ22歳・レイヴン36歳/掌編】

「青春。いいねぇ、若いって」
「何だよ突然。おっさん臭い」
「えぇっ、酷い青年! おっさんまだ加齢臭はしないわよ!?」
「そういう意味じゃねえっての」
 溜息を漏らしながらも手は止まらないユーリに、レイヴンも軽い調子で分かってるわよ、と返してコーヒーカップを手にした。
 舌を通り過ぎ、喉へ落ちていくスッキリとした苦味をひとしきり味わった後、男はカップを置きながら言う。
「いやね、来る途中に公園があるじゃない?」
「……ああ、そういやあったな。最近出来たマンションの横だっけか」
「そこでね、学生さんが待ち合わせて登校してくのを見たわけよ。前は夕方くらいにいかにも告白じゃない、ってのを見かけたし」
 言って、再び若いっていいねぇ、と呟いた男に店主である青年は半眼を向けた。
「…………おっさん、覗き見も大概にしとけよ」
「覗き見なんてしてないってば。偶然、そういう所に行き当たっただけ! おっさんそういう巡り合わせって言うの? 運に恵まれてるんだよねぇ。……青年と嬢ちゃんの時みたいに」
 にんまりと笑う男に、青年は嫌そうに溜息を漏らす。
「何で知り合っちまったんだかな」
「ん? しゃーないっしょ。まだ青年がいたいけな少年の頃に知り合った時から縁が出来たんだし。一度出来た縁って言うのは、中々切れないもんなのよ」
「もし過去に戻れたら、オレはオレに忠告する。未来で後悔するぞ、ってな」
 はあ。溜息を吐きながら、手際よく準備していたトーストとサラダを男の前に出した青年は、開店準備があるからとカウンターを離れていった。
「おっさんは、青年が言うほど嫌がってないってこと知ってるから良いけどねー」
 だからこそ今この時があるということを、彼はちゃんと分かっていると、男は言われないまでも分かっていたから。

*おっさんは開店前にモーニングサービスをねだりに来てるのです。何故開店前かは準備も落ち着いて甘い匂いも少ない時間だから。そして何気に二人の出会いについて触れてますが、ユーリが嫌そうにしているのは大きな理由があったりします。いずれ本編で。

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