【ED後/Other tales「Kiss 2.額の上なら友情の」の後日/微フレジュディ/掌編】
「こんにちは、ジュディス」
「あら、こんにちは、フレン」
下町のユーリが下宿としている宿屋の隣にあるちょっとしたスペース。そこで愛用の槍を手に一通りの型をさらっていたジュディスは、一息吐いた所で声を掛けられてその意外な人物に瞳を瞬いた後、挨拶を返した。
金の髪の青年は、見慣れた騎士団服を纏っているから、休みというわけではないのだろう。
「騎士団長自ら巡回?」
「いや、少しまとまった休憩を取らされてね。今、ユーリ達が帝都に来ていることはエステリーゼ様から伺って知っていたから、顔を見に来たんだけれど……、居ないようだね」
「ええ。あなたが話を聞いたそのエステルと、市民街の市場で不足品の買出しという名目のデート中、よ」
うふふ、と楽しそうに笑みながら言ったクリティアの女性に、フレンはどう反応を返していいか僅かに困惑した笑みを浮かべた。
「ちなみに我が首領とラピードは下町でお手伝い中。リタはエステルの紹介でお城の図書館に篭っていて、あなたの所の優秀な隊長首席のおじさまは溜まったお仕事を片付けているんじゃないかしら」
「そう、か。どうやら間が悪かったようだ」
「そうね。あなた要領良くても、巡り合わせの運にはあまり恵まれてないみたいだもの」
ユーリやエステルから色々聞いているわ、そう付け加えた彼女に、フレンは今度は苦笑を隠さずに言う。
「そうかもしれない。でも、仕事じゃない時に続けて二度会った君とはめぐり合わせの運は少しはあるみたいだ」
「あら、確かにそうね」
くすり、笑ったジュディスはフレンの出で立ちを改めて見つめた後、言った。
「折角の休憩中なのに、お誘いしたら迷惑かしら?」
微笑しつつ愛用の槍を一振りして言った彼女に、青年は軽く首を横に振る。
「いや。最近はデスクワークが多いから、むしろ喜んで。それに、君ほどの使い手を相手に出来るのだから、ジュディス」
「ユーリから何を聞いているのかしら? でも、私も楽しみよ。闘技場での貴方とユーリの戦いは見ていてうずうずしたもの」
「何て言うか、類は友を呼ぶというのはこういうことを言うのかな」
「あら。それを言うなら貴方も十分当てはまると思うわ。ユーリの幼馴染兼親友で、私の友達でもあるのだから」
「友達?」
「ええ。違って?」
「……いや。今の所は少し物騒な付き合いの友達だけど」
そうしてさすがに街中では危ないからと、下町を出た場所で対峙した二人は、フレンが休憩時間の終わりを思い出して慌てて辞去するまで、ひたすらに武器を交えていたとか。
*お題を始めた時に、思うままに書こうと思っていた中にあったフレン×ジュディスですが、40題も半ばでようやく。サイトのキスのお題の話の更に後日の設定で。