【本編中/第三部終盤/パーティメンバー/掌編】
「何て言うか、おっさんもう駄目」
出て来た所で開口一番にそう言ったレイヴン。いつもなら此処で苦笑やら魔導少女の叱咤やらが飛んでくるのだが、さすがに今回ばかりは男の言葉も尤もだと分かっていたのでそれも無い。
出て来た重厚な扉が閉じるその間際まで、勝者を称えた歓声が聞こえていて、一行の最年少である少年は最年長の男を素直に労った。
「お疲れ様、レイヴン。凄かったね、二百人斬り!」
「ええ、カロルの言う通りです。凄かったですよ、レイヴン」
「まあ、いつものあんたよりはマシだったんじゃないの?」
「あら。誰より声を上げて応援してたんだから、カロルくらい素直に褒めてあげたら良いのに」
「あんたならこれくらい軽いでしょ、倒れたりしたら許さないんだから! だっけか?」
「っ、な、なな、何言ってんのよ! あたしは別に……!!」
「わーっ!? レイヴン!?」
焦った声を上げた少年に、見てみれば男はばたりと床に倒れていた。エステルが男の腕を取って脈を診てしばらく、安堵した表情で気絶しているようだと告げた。
「まあ、無理も無いんじゃない。息も絶え絶え、って感じだったし」
「そうだよね。ユーリとジュディスですら嬉しそうだったけど疲れた顔してたくらいだし」
「まるで私とユーリが違う生き物みたいに聞こえるんだけれど、首領?」
「ったく、人騒がせなおっさんなんだから。ほら、あたしが術で運ぶから、さっさと宿に行くわよ」
「リタ、大丈夫だと思いますけどそーっとお願いしますね」
「分かってる」
魔導少女の術の応用でふわりと宙に浮かんだ男の体。やがて簡易宿泊所に運び込まれると、仲間達はレイヴンを労いつつ静かに部屋を後にするのだった。
*おっさんを愛でてみる。そこはかとなくギャグなのはメインがおっさん故の仕様です。


